天穹のアルクルス【天クル】：なぞる爽快感、「冒険」を意識した物語
天穹のアルクルス【天クル】
天穹のアルクルスはスクエニが放つソシャゲRPG、冒険者達が1つの塔を上る様子を描いたファンタジー冒険譚だ。戦闘はマス目の中、一筆書きのようになぞって、敵にぶつかるとダメージ、ぶつかる前に味方をなぞっているとコンボが発生する独特の仕様となっている。ストーリーが面白かったため取り上げてみた。
天穹のアルクルスの物語は一つの塔を上る小規模な舞台を採用。ソシャゲはフィールドがない分、壮大な物語にしやすいのだが、あえて小規模にする事で密度の濃いやりとりを目指そうとしたのだと思う。物語は4人の冒険者が塔を登るところから始まる。主人公は無口でたまに選択肢が出るドラクエ型だけど他3人がよく喋る。仲間内の会話など、いわゆる「冒険者だ」と思うようなやりとりが多い。ミニキャラは会話中、適度に動く。ダンジョンの謎解きでしっかり考えている様が見えるなど、「冒険」している感覚を意識したシナリオ構成になっている。ダンジョンも場所が変わるのではなくステージが進むと階層が上がるような形式。ノリはライトノベルに近いかな。ゆるくはないけど、会話のふしぶしにシャレがある。
また、物語の最中に新キャラがどんどん仲間になり最初は4人だったのがだんだんとパーティーが賑やかになっていく。ただシナリオ上、最初の4人以外は仲間になるまで様々な掛け合いがあるが、仲間になった後登場しなくなるのが気になる。秘密がありそうなキャラもいるので特定のステージだと活躍するなどがあるかもしれないが。他、先輩冒険者などやはりキーパーソンは「冒険」だろう。
クエストの合間、適度にシナリオが挿入されており、物語にも力を入れてる気配がある。少なくともソシャゲ特有のやっつけ感はない。
ただ、物語を楽しむために遊ぶとなると戦闘に時間がかかる欠点がある。
なぞってコンボで敵に突撃だ！天穹のアルクルスの醍醐味はやはり一筆書き
戦闘はマス目上のフィールドで行う。とは言っても3Dなので貧相な見た目ではない。マスに味方キャラ、敵モンスター、障害物が配置される。敵味方含めて素早さ順に行動。味方の行動はキャラの最大歩数分を一筆書きの要領でなぞる事で行う。なぞった範囲に敵がいると攻撃を行う。また、敵の前に仲間をなぞると以降の敵全てに、その仲間の攻撃も実行される。これがコンボとなり、例えば2人味方をなぞってから2人の敵に攻撃すると3人×2回の6コンボになる。そして6コンボを超えた場合、最後の敵には味方4人の強攻撃が追加される。これがまた強力で、雑魚程度なら一撃で葬れるほどの強さ。
しかし、ボス敵の場合はこの攻撃に耐えうるHPを持っているなど、このコンボ攻撃がゲームの要となっている。なお、ボスの場合2マスや4マスなど巨大なので、敵を数回攻撃しやすいため、連続攻撃+コンボフィニッシュの流れ技が爽快感があって気持ちがいい。また、後の味方のコンボ用に味方の終了位置の調整など、思ったより戦略的で攻略方法を考えさせられる。
天穹のアルクルスのメインはマルチプレイ……じゃないだろう、きっと
運営はスクエニだが開発は株式会社EVOLVE(エボルブ)が担当。ホームページを見ると携帯ゲームの時代からソシャゲやカジュアルを中心としたアプリを他社自社で開発・運営しているようだ。そのためか、操作は安定している。
ストーリーと戦闘パーティーに密接な関わりがあるため、パーティーメンバーはストーリーで仲間になる。ガチャは武器の入手だ。また戦闘後にアクセサリの入手もある。キャラは戦闘でレベルアップする形式で合成などは使えない。また、キャラクエストでステータス強化ができる。反対に武器は合成でレベルアップする。アクセサリは同じ装備の合成でスキルレベルアップという不思議な形式だ。最近のソシャゲだと比較的珍しいのだが、強化費用が高いので金策曜日ダンジョンが必須になりそうだ。
他の特徴はマルチプレイがある事かな。他のプレイヤーと共同でシングルプレイと同じクエストをプレイできる。ただ、他プレイヤーが考える時間がそのまま待機時間になるので私はストレスがたまった。ここは改修を期待したい。あとはクランを結成できるなどコミュニケーションを意識した作りである事が特徴だ。ただ、現在はクランはおまけ要素扱いでそこまで重要そうではない。(今後のイベントでは重要になるかも)なので私はシングルプレイで楽しんでいる。
私のようなシナリオ好きにとっては戦闘を受け入れれるかどうかで判断が変わりそうだ。ただ、私の場合は普通に楽しめている。力押しだけでなく、考える事でサクサク進む点が評価できるからだ。まあソシャゲなので力押しの限界もあると思うが。ボスにコンボを決める爽快感がなかなか良い。
