Lanota:台湾の音ゲーマニア達が開発した新次元の音ゲー
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Lanota
Lanotaは色と音を失った世界で調律を行い色音を復活させていく音ゲーだ。基本はビーマニ系だが、時計を模した円内を軸にし、円も動くなど創意工夫が見てとれる。また、斬新なゲーム性を提供すると共に操作性を損なわないような配慮もあり、まさに新次元の音ゲーとも言える。
開発は台湾のインディーズ企業NoxyGames。音ゲーのベテラン達が自分達で面白いと思えるゲームを開発したようだ。こういうゲームがCytus,Deemo,VOEZを生んだRayarkの次に台湾からでてきた事も感慨深い。
思えばDJ MAXやO2JAM,EZ2DJで人気を馳せた韓国音ゲーもあまり目立たなくなり、中国やアジアの音ゲーが日本に輸入されない(されてもそこまで人気にならない)中で台湾は好調で、音ゲーのメッカとなりそうな気配も。負けるな日本。
動的挙動を示す時計を模した斬新な譜面盤!
Lanotaはいわゆる落ちてくるノーツを一定範囲内でタップする典型的なビーマニ系の音ゲーだ。しかし、譜面盤が大きく異なる。円になっていて、ノーツは中心から周囲360度全ての範囲に落ちてくる。ユーザーは円の表面にノーツが来た時にタイミングよくタップする。
タップで対応する白いノーツ以外には、青いノーツがある。これはタイミング良くタップする必要がなく、その周囲に指が当たっていればいい。ただ、青いノーツは連続している場合がほとんどでノーツが終了するまで指はノーツと円表面の位置におき続ける必要がある。青いノーツは音楽に従って直進だけでなく斜めにも移動するため、指も当然それに合わせて移動させる。他、上スワイプ、下スワイプノーツがある。
ノーツの種類は以上である。円になっている要素以外は最近の音ゲーだとシンプルな部類に入る。
ただ、ここで終われば普通の音ゲー。Lanotaの最大の骨頂は「譜面盤が動く」事にある。盤はその場でじっとしているわけではない。まず回転する事がある。回転すると、ノーツも動きに合わせて角度を変え移動する。拡大・縮小する事がある。すると画面のゴールの位置が当然変化するので、プレイヤーはゴールの位置を常に気を配らねばならない。上スワイプ、下スワイプと同時に円が上下に移動したり、曲に合わせて拡大しながらぐるぐる回ったり本当に忙しい円だ。この2つの要素が加わる事で劇的に面白くなる。
「譜面が動く」システムはRaylarkの最新作「VOEZ」でも実装されていたが、Lanotaはさらに大胆な事が特徴だろう。ゲーム性が全く変化するので既存の音ゲーに飽きた方にプレイして欲しいと感じる要素だ。それにしても異なる2企業が同時に「譜面が動く」システムを搭載するのも時代の流れを感じる。今後、これが標準になるのだろうか。
このあたりは文章だと雰囲気が掴みにくいので一度プレイデモを見て欲しい。
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難易度はWHISPER,ACCOUSTIC,ULTRAの3種。難易度によって異なる世界を見せ付ける。初心者用のWHISPERでもLanota特有の譜面の移動を存分に楽しむ事ができ、さらに難易度が優しいのが嬉しい。そして慣れてレベルを上げていくと。ここが本当に凄くて、難易度ULTRAがビーマニ系と全く異なる。ノーツが中央から上下左右あらゆる位置に同時に向かう。そして譜面もクルクル。頭が追いつかなくなる。かと言ってその難しさが苦痛か?と聞かれるとそんな事はなく譜面に慣れてやろうと頑張りたくなる。
多分だけど、初心者でも上級者でも受け入れられそう。新鮮で斬新だけど、理不尽じゃないのがポイントかな。流石、音ゲーを知り尽くした開発陣だ。
幻想的なRPG風ストーリーを奏でる音楽
Lanotaの世界は音と光が無くなっている。プレイヤーが演奏する事で、その場所の音と光を取り戻していくストーリーになっている。その様はさわやかで幻想的だ。演奏前後の物語りは綺麗なイラストで盛り上げる。優しい雰囲気に包まれている。
▲左が調律していないフィールドで右が調律後。フィールドが色鮮やかに変化していく。
曲をクリアするとノタリウムと呼ぶ宝石が入手できる。WHISPERクリアなど単純なクリア以外にConbo50%など条件でクリアして入手する宝石もあり、やり込み要素となっている他、ストーリーのアンロックにも使う。
また、RPGを模した世界観になっており、ストーリーを進めるうちにアイテムも手に入る。謎に満ちた世界観だが、アイテムなどの説明でわずかに紐解く手掛かりがある。
そして音楽だが、やはりここが素晴らしい。音ゲーの音楽には一般的なメジャー音楽やインディーズ音楽と異なりいわゆる「音ゲーらしさ」みたいなものがある。音ゲーが名作になるかどうかの最低条件だが、新興音ゲーであるにも関わらず、「音ゲーらしさ」を追求した音楽の質が非常に高い。Raylark製音ゲーと同じコンポーザーも一部いるが、音ゲー初のアーティストもおり、「Lanotaだから聞ける音楽」である事も特徴だ。ファンタジーな作風に合わせて民族調・ピアノ・オーケストラ・爽やかポップなどファンタジックな曲が多い。ちなみに1章ラストの曲はRPGのラスボス風味でかっこいいなどメリハリもあります。
ついでに、一部台湾コンポーザーもいるが、ほとんど日本アーティストだ。(この人脈はどこから?)
作曲者についてはこちらにまとめたので興味があれば確認して欲しい
smartphonegame.hatenablog.jp
価格は本体が240円。序章と1章合わせて10曲が楽しめる。またサイドストーリーが480円で5曲。かなり良心的な値段だろう。ちなみに2章以降もまだまだ続きそうなので楽曲・イラスト・物語共に続編も楽しみだ。