高品質な無料ゲームアプリをリリースし続ける「ちょゲつく」を紹介してみる
「ちょゲつく」とは
グランブルーファンタジーで有名なサイゲームスが有するブランドの一つである。広告掲載をして無料で提供するいわゆる広告無料アプリを月1~2ヶ月に一度ほどリリースしている。サイゲームスはソシャゲのイメージが強いがこんなプロジェクトもある。課金要素は一切なく、完全に無料でパズルやアクションなどのカジュアルアプリを遊ぶ事ができる。無料のカジュアルアプリはGoogle PlayやApp Storeだと有り触れているが、ちょゲつくの作るアプリは企業が出すだけあって一定の品質を保っている。暇なら遊んでみて損はない。今記事ではこのちょゲつくでリリースしたアプリの中から管理人おすすめのゲームをいくつか紹介する。
以下はブランドを立ち上げた時のCygamesのリリースコメントである。
「ちょ」っとした時間を、「ちょ」っと幸せにする。そんなことを考えながら「ちょ」っとした「ゲ」ームを「つく」ってみました。『最高のコンテンツを作る会社』をビジョンに掲げるCygamesが、別ブランドとして立ち上げた「ちょゲつく」。みなさまに「ちょ」っとした驚きを、「ちょ」っとずつ提供してまいります。
管理人が面白かったと胸を張って言えるちょゲつく開発アプリをいくつか紹介していく。
跳べ!怪盗少女
横スクロールランゲーム。怪盗が追っ手から逃げヘリコプターに辿り着けばゴールする内容。障害物にぶつかると速度が落ちたり止まったりして、後ろから追いかけてくる追っ手に捕まる。ワーヤーアクションや二段ジャンプなども加わって爽快。上記で述べたレベルデザインの良さがしっかりと発揮しているため、6×3の18ステージを飽きる事なく全てプレイした。ランゲームが好きなら間違いなくハマる一品。これ、有料アプリで続編出してくれないかな。
重力トンネル
自機を上から下に落としていくカジュアルゲーム。上からレーザーが迫ってきておりぶつかるとゲームオーバー。画面をタップし続けるとその地点が磁場になり自機が引き寄せられる。上手に障害物やギミックを避けて画面下まで突破していく。
キルベジ
画面上から下の自陣まで迫ってくる野菜(動く)を狙撃していくアクション。狙撃は下に引っ張ると照準が絞られ、位置を確認して発砲する。野菜は爆弾を持っており、爆弾に狙撃が成功すると一定部分の爆弾全てに引火し、まとめて敵野菜を撃破できる。この爆弾の連鎖がとても爽快でどうやって連鎖を起こすか考えるゲームになっている。まぁ、考える前に撃て!だけど。
ボク本当は勇者なのに
何故かスライムになった勇者。周りの冒険者はスライムに攻撃してくる。プレイヤーは6×6マスの陣地を動き回り敵(味方?)の攻撃を避けていく。敵は攻撃範囲マスが一直線や手前3×2マスなど決まっており、敵が出現した後にその場所を攻撃する。敵が出現したらプレイヤーは敵の攻撃が当たらないマスに逃げていく。一度でも攻撃を食らうと最弱のスライムなのでお陀仏。なので避けて避けて避ける。単純だけど面白いよ。
ルームスイーパ
一筆書きパズル。と言ってもそこまでルールは厳しくなく同じ場所をもう一度通過しても良い。2人が同じタイミングで同じ場所を通過すると回り9マス全てを通過した事になるのが大きな特徴。パズルは標準的なものだけどキャラの動作が見ていて楽しい。
魔王ドミノの倒し方
横ラインのドミノ崩し。手前を倒して最後までドミノが崩れればクリアだが、途中で途切れてしまう。そのため、各ステージ毎に用意されたアイテムをステージのどこかに追加してドミノを完成させる事が目的のパズル。
戦姫物語
チェインクロニクルの戦闘システムを縦フィールドで表現したソシャゲもどきの完全無料RPG。ガチャや合成・進化などソシャゲ特有のシステムがないのでコンシューマーや買い切りタイプのRPGバランスで遊ぶ事ができる貴重な無料アプリ。王女様を主人公としたラノベ的な物語が展開する。ソシャゲもどきだがガチャ無し、合成・進化無しなので戦闘のみに熱中できる。コンシューマーRPGファンが「ソシャゲからこの機能を省いてくれたらもっと面白いな」と感じる部分を徹底的に剥ぎ取った印象のソシャゲ風RPGだ。無理なくレベルが上がって快適だ。欠点は何のためか不明だがソシャゲ特有のスタミナがある事か。
戦国WASAWASA合戦
にゃんこ大戦争やメルクストーリア等の横ラインタワーディフェンスゲーム。ただし、奥行きが5以上ある。WASAWASA(ワサワサ)の名の通りわさわさ何十と召喚して相手陣地に攻めたり守ったりする。似たような大人数のディフェンスゲームだとLINEウパルサーガなどが近い。奥行きの関係上、こちらが相手の城(倒すとクリアの防壁)を攻撃しながら自陣地は守りに入るなど、将棋なみの攻防が楽しめる。なお、戦国WASAWASA合戦も戦姫物語と同様にガチャや合成・進化もない。さらにレベルの概念も無い純粋なタワーディフェンスだ。
最強グンマ海軍
逆タワーディフェンス。戦艦を用いて相手の陣地を責めていく。群馬ネタは使い古された感があるが、ゲームはしっかり作ってある。弾が飛び交い見た目は完全に2D縦シューティングだが、自分の攻撃方法をパワーアップしながら相手の陣地を攻撃していく様は完全に逆タワーディフェンスだ。
はらぺこフェアリー
バッドランド系のタップで空中を飛ぶアクションゲーム。ゲームそのものもバッドランドなので突発すべきところはないが、レベルデザインが良いのでその手のゲームが好きなら外れではない。はらぺこフェアリーのように類似アプリが沢山あるゲームこそ大企業が作るカジュアルアプリの真髄を感じる事ができる。
ちょゲつくの面白さの秘密
さて、ちょゲつくのゲームは個性的な内容も多いため外れもあるが、仕組みさえ自分に合えばとても熱中できるアプリだ。その理由を考えてみた。
- 最適なレベルデザイン
レベルデザインとはマップの敵配置やギミックの位置など、実際に作った仕組みを面白くなるように配置していく事である。例えば2015年9月に任天堂からWiiU専用タイトルとしてスーパーマリオメーカーが発売された。これは実際に購入したユーザーがステージを作り、他のユーザーにプレイしてもらったり、他のユーザーが作ったステージをプレイするゲームだ。マリオメーカーを遊んでみるのは勿論、プレイ動画などを見てもわかるのですが、スーパーマリオメーカーのステージは面白いステージもあるものの飽き易さ、楽しさなどに大きなばらつきがある。オリジナルのマリオと比べて安心感が感じられない。これはレベルデザインが不安定だからである。
ちょゲつくのゲーム。他のカジュアルゲームと比べて何が優れているかと言うとこのレベルデザインだ。まず何も知らない初心者用のステージをこなして慣れていくとだんだん難しくなる過程を綺麗にこなしながら、飽きさせないギミックや理不尽な内容の排除などを意識して開発している。ちょゲつくは理想的なステージを作るのが上手だ。気分良く飽きずに遊べてしまう。
- プロの絵師、作曲家を起用
ちょゲつくのゲームは同人レベルではなくコンシューマーでも充分通用するイラストやドット、音楽を使っている。開発費の回収ができているのか心配になるレベルの高品質素材を使っている。ソシャゲ開発で培った人材を上手に利用している印象だ。
- コンテンツ不足
一番大きな欠点はコンテンツのボリューム不足だ。1発ネタで1時間で終わるゲームもあるが最長でも1日あればクリアできる。ステージ数が少なすぎる事はないが、それでも面白い故に物足りなさを覚える量だ。完全無料アプリなので仕方ないが、ボリュームを増やした有料版を配信して欲しい。
まとめ
どうたっただろうか。カジュアルアプリを作る日本のブランドは「ちょゲつく」以外にGREE参加のライトフライヤースタジオGARAGE部門、カプコンのつくれんProjectなどがあり、ブランドとしては無くてもD3パブリッシャーやコロプラなどもカジュアルアプリを作っている。が、私のイメージとしてちょゲつくのゲームは他者カジュアルゲームと比較してもワンランク上のアプリを作っているように感じる。今後も期待していきたい。そしてエアシップなどのようにコンシューマーへの移植も今後は期待していきたい。